絶対にバレないコピペレポートの作成方法

http://www.asahi.com/life/update/0525/TKY200805250186.html
コピペしたリポート、ばれちゃうぞ 検出ソフト開発
2008年05月26日01時27分

 インターネット上の公開情報を引き写しただけの「コピー・アンド・ペースト(コピペ)」でないかをチェックするパソコンソフトを、金沢工業大学教授が開発した。コピペは学生のリポートなどで横行しているとされ、先生らには朗報になりそうだ。

 金沢工大知的財産科学研究センター長の杉光一成教授が今年2月に特許出願した。来年にも市販する予定という。

 電子データで提出された文章をソフトに入力すると、翻訳ソフトに使われている「形態素解析」という技術で、文章を文節や単語に分解。それぞれの文節や単語をネット検索し、類似した文章がネット上で見つかれば、URLを表示して知らせる。複数のリポートを比べて、学生同士が写し合っていないかチェックすることもできる。

 杉光さんは一昨年、学生に課したリポートを読んでいて、学生2人の表現が似ていることに気付いた。共通する文章をネット検索したところ、あるブログからの引き写しとわかった。同僚もコピペに悩んでいると知り、昨夏、開発に着手した。

 杉光さんは「先生が不正を見抜く技術を持てば、学生には大きな抑止力になるはず。安易にコピペできなくなれば自分で文章を考えるから、学生のためにもなる」といっている。(山口智久)

 コピペレポートについては、色々な考え方がありえると思う。

 知り合いの大学教授さんも読んでいるブログで大胆に思うところを書くと(笑)、「お前らバレないようにやれよ」というのが率直な感想。

 確かに学生の質は下がっているのだろうけど、この場合アカデミック・スマートの文脈での“学力”というよりは、ストリート・スマートにおけるそれではないのかと。
 レポートの他文献丸写しなんてことは、ネットが普及する前からガンガンにやられており、それを得意げに語る先輩方を何人も見ている。そういう意味で学生の質は取り立てて変わっていない。

 問題は技術革新が進んだことで「自分たちだけが有利になった」と錯覚していることではないのかと。コピペしたレポートなんて任意の文を抜き出してググれば一発で分かるし、だいいちコピペ元からしてググって引っ張ってきたようなものなので、余裕でトレース可能なはず。当時の先輩方はありていにいえば“バレないから”、戦略的にローリスクハイリターンだからやっていたのであって、一発でバレるようになれば別の方法論を選択したはずだ。

 丸パクリのレポートを出すというのは、知恵比べの勝敗を「教員が無能であること」に賭けるしかない。そういった意味で他人任せで、まずい方法論だと思う。自分の成長のためにも、敵(笑)は常に高いレベルに設定すべきなのだ。

 ちなみに自分は学生時代どうだったかというと、「検索してネタを発掘する」まではやっていた。しかし当然ながらコピペなんて方法は取らなかった。参考文献とともにネタ元を大量にプリントアウトして下宿に持ち帰り(当時は下宿にネット環境がなかった)、使えそうな該当箇所にラインを引き、それを思いつく限りのボキャブラリーを用いて自分の言葉に書き直した。

 比喩的表現は違う言葉に直し、裏づけとなるデータは独自に引っ張り、引用文献には必要ならば図書館で直接アクセスし、別の同義文からの引用に差し替えたりした。300字程度の元ネタから4000字程度の文章を起こすことぐらいは、余裕で出来るようになった。

 これぐらいやれば、まずコピペレポだとバレることはない。なぜなら、ここまでの作業を通じて引用文献は自分なりの咀嚼が加えられ、大げさな表現をすれば“血肉”となっているから。パクリと模倣の間に線引きをするとすれば、こうした咀嚼が加えられているか否か、そこからさらに三次的な発想を展開しうるか、ではないかと思う。

 そして、この模倣によって創造されたテキストは、オリジナルであるかどうかは議論が必要にしても、コピペでハリボテにされた論文とは明らかに一線を画す。全体の組み立てに文字通り骨子があり、主張・論拠・データという論文の三点セットがしっかり展開され、少なくとも一定の水準を満たす。当然、文を抜き出してググられてもビクともしない。

 もちろん、この論文が“優”などの高評価を受けるかどうかは別問題である。しかしコピペレポを提出する主目的である“単位を取得する=可を取得する”ならば、余裕で達成可能だろう。