欧州を越えるために


 どうも、ポリバレンスとかスペシャリストとかの単語はどうでも良くて、「状況判断のできる良い選手を使う」でいいじゃないかと思ってるKINDです。マジで。こういうキャッチコピーは便利だから使っちゃいますが、濫用すると本質を見失いがちになります。だから僕の主張は「優秀なストッパーがほかにいないから、代役として今野を使った」。以上ですwwww


 さて、今回は「分厚いトラバをもらったよ!」シリーズ第2弾(謎)として、◆Football Kingdom◆さんへのレスという形でエントリーを作成します。テーマは、「欧州を越えるために」です。

自国リーグの卑下ではない

 コージさん、どもです。いつも、お世話になっております。さて、ご挨拶もそこそこにレスを。


 まずは「自国リーグを卑下するのは、やめようじゃないか!?」というタイトルですが、僕は卑下していません。自分の目で見て「足りない」と思った部分が、セルジオ氏やオシムの主張と一致しただけの話で。


 で、僕の主張を一言でまとめますと、「欧州を越えるために」ということです。


 コージさんの「欧州組だって、実は大したことないリーグでやっているケースもある」という主張は、「だからJリーグも今のレベルで大丈夫じゃないか」に繋がってしまいます。


 確かに、欧州でも下位にはひどいチームがあります。例えば稲本がいた頃のWBA。あそこのDFは、クロスに対して「人とボールを同時に見る」ということが殆どできなかった。ポジショニングが悪く、視野を確保していず、だからボールに反応する選手が見えていない。WBAの試合では、何でもないサイドからのクロスが怖くて仕方なかった(笑)。実際、その形から彼らは相当数の失点をし、ディビジョン1に降格しているわけです。


 でも、それは「欧州でも低いレベルがある」というだけの話。日本は、彼らを越えたいわけですよね? なら、意識は常に高く持たないと。そういう偉そうな人生訓話だったわけです、僕のエントリーは(笑)。その点は同意して頂けて、助かります。

基礎技術よりも「意識」

◆一番足りないのは、基本的な技術だったりして・・・
KINDさんの「意識の低さ」ってのもありますが、もう1点違う問題があるように思えるのです。これは、もう数年前から思っていたことです。「パス・トラップ・ドリブル・シュート」の4つの基本的なプレーをプレッシャーの掛かった試合で出来ない!って思うのです。#107 日本代表 『W杯ドイツ大会、総括』の時にも書いていました(苦笑)


 仰ること、良く分かります。これは、ある意味価値観の問題かもしれません。つまりプレッシャーの中で出せないのは「本当の技術ではない/精神面が弱い」ということ。僕は以前は前者でしたが、現在は後者だと思っています。一言でいえば焦りすぎなんです。監督の要求をこなそうと必死になってるから、焦ってミスが出る


 日本人の基礎技術は、足りないと思っていないです。以前はそう思うこともありましたが、ガンバや広島などクラブユースの練習風景を見、さらに小野剛(現JFA強化委員長)の著書などを読み、広島トップの練習を見るなど、座学と実地を繰り返した結果そう結論づけました。


 広島に関して言えば、練習中のパス回しは実に上手いです。ワンタッチパスが本当に正確に回る。鳥かごをやるときも、常に動きながらボールを受けるのに、その中できちんと態勢を作り、次のパスコースを確保し、正確に出せている。広島はJリーグの中でも技術は高いほうだと思いますが、G大阪や浦和、川崎などの練習風景もそんな大差ないのではないでしょうか。


 が、便利なのでオシムの発言を使いまわしますが、日本人は「大事なのは、プレッシャーの中でそれを実現できるかどうかということ」ということ。これは広島の戸田和幸が自身のHPで「練習でできていることをやってくれ」と何度か発言していることなども参照してください。

「あせってボールを失うな」


 僕の言う「意識の低さ」というのは、一言でいえば「状況を見ていない」ってことですね。例えばよく言われる「緩急のなさ」。ガーナ戦も「急」ばかりだったと記憶しています。


「緩急をつける」なんてのは技術でなく「意識」です。スコア、相手の陣形とプレッシャーの度合い、味方のポジショニングとスペースの有無、将来的に空きそうな場所の見極め等、さまざまな要素を観察して取り入れて咀嚼して、最終的に「こうやったら崩せる」というプレーを選択することです。「良い予備動作」と「決断」。良いボディシェイプで的確にポジションを取り、パスが受けやすい場所(かつ相手が嫌がる場所)に位置を取り、ボールが来る前に状況確認を済ませ、ファーストタッチでどこに置くか、まで考えておくこと。中田英寿がボールを受ける前に「首ふり」という動作をやっていましたが、あれも予備動作の一つです。


 で、ここまでやって初めて緩急の話に移れる。「急」というのは要は縦パスやスルーパスやクロスなどですが、こればかりだと相手に読まれる。逆に「緩」は横パスやキープに代表されるスローダウンですが、こればかりだと相手が戻ってくる。どちらかを「状況を見てやれ」ってことです。


 中央に人数が揃わないのにアーリークロス、味方がDFラインへ勝負をかけたタイミングで横パス、オーバーラップしてスピードに乗るサイドバックへ足元パス、裏へ抜け出そうとした選手の利き足とは逆の回転でパス、相手に読まれているのにサイドチェンジを出してカットされる、2タッチのタイミングでダイレクトに出す……こういうのは全部技術ではなく「意識」です。焦っているから、状況を見ていないからそうなる。ジーコは「落ち着いてつなぎなさい」と何度も言っていました。地味なことですが、「あせってボールを失うな」はボールゲームにおける基本中の基本ですよ。


 もっともラモス瑠偉(現東京V監督)なんかは「あえて」パスの出せないボディシェイプを取り、DFを油断させておいてアウトサイドでノールックパス、なんてことを平気でやってましたけどね。だから、この話は深いです。話すと幾らでも仮説が出てくるし、そのどれもが正解で間違いである可能性がある。だから楽しい(笑)。


 ちなみに、触れまいと思っていたサポーターのケースですが、これは「サッカー蟻地獄http://blog.fckbu.jp/」の中の人に話すと良いと思います。たぶん、とてつもない量のレスが返って来ます(笑)。この人はとんでもなく頭の良い人なので、何かのエントリーにかこつけてレスをしてみれば良いと思います。どうなっても責任は取りませんが(爆笑)。

寿人のケース


 寿人のケースに関して、非常に分かりやすい図解を用いて頂いて、広島サポとしては勝手に「ありがとうございます」と言わせて頂きます(笑)。


 が、後半8分という時間帯で走行距離は相当なものだったでしょうし、実際寿人はこの10分後に交代しています。このシーンで外してしまったのは、基本技術の不足というよりは疲労じゃないですかね。あんだけ走らされた後にゴール前で決定的な仕事をするのは、きつい。だから、この戦術には相当無理があるし、「ガーナ戦スペシャル」だと思うし、だからこそ「分析しても意味がない」と思うんです。インド戦はまた全然違った戦いになりますよ、間違いなく。


 気長に続きます! というか、Jリーグ始まったらJリーグ見ますので、続きがあるかどうかも保証しません!(おい)

↓お陰さまでトップ10入り果たしました!
 これからもどうぞよろしくお願いします!

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