ナビスコ杯決勝雑感
ご無沙汰してます。ちゃんと生きてます、一応。ちょっといろいろあったので、更新が滞ってます。あんま間が空くのもアレなので以下、メモ的な雑感にて失礼。
ナビスコ杯決勝雑感
Ｊユースカップを見に行ってたため、録画放送で観戦。しかも、前半途中から大雑把にしか見ていないので、細部に渡って言及はできません。なので、見た時点から試合終了までの流れを。
特に後半に入って顕著だったのは、鹿島の決定力のなさ。あまりにもチャンスを外しすぎた。アレックス・ミネイロといい、野沢といい、柳沢といい、入るまでの動きは良いのだけど、フィニッシュのシーンで上半身に力みが入ってるのがミエミエ。特にアレックス・ミネイロの力の入り具合は、ちょっとおかしい。ラストパスが思ったよりゆるめに入って、インサイドでファーに流し込むイメージがＧＫの正面を突いたシーンでも。あるいは野沢がえぐってマイナスクロスを折り返したシーンでも。決勝の雰囲気がそうさせたのか、とにかく鹿島がフィニッシュで問題を抱えすぎた。
結果、サッカーの常として、ジェフに流れが戻ってきた。そして、後半の３５分、３７分と３分間で２得点が入る。
水野の先制点では、坂本隊長からのサイドチェンジを受けた水野が、右４５度から思い切りよく振りぬいてゴール。それまで何度もサイドの突破⇒クロスというシーンが続いていたため、対面のファビオ・サントスは何の疑いもなくクロスへのボディシェイプをし、本来ＧＫにとっては空かないコースを作ってしまった。しかもこのシーンでＦ・サントスは「ジャンプ」している。本職ＤＦでない選手にありがちな、軽い対応。実はその直前のシーンでも、Ｆ・サントスは水野の右サイドからの右足クロスに対して「右足」で「背中を向けて」「足先」で対応していた。つまり、Ｆ・サントスはある時間帯からずっと軽い対応をしていた。この穴を見事に突いた、決断力のあるゴール。決勝戦でのこういうゴールは、選手が一皮向けるきっかけになるかもしれない。同時に、鹿島サポにとっては内田篤人をアジアユースに持っていかれたことを思い出さざるを得ないだろう。
これで一気にムードが盛り上がったジェフは、２分後のＣＫから阿部勇樹のヘディングで追加点。エリア内中央ややファーにポジションを取った阿部は、マーカーの青木の視線がボールに行った瞬間を狙って一瞬引き、青木剛の死角に入る。そして水野のボールに合わせ、上手いタイミングでスッと青木の前に出てボールに触った。「ＭＦらしくない」、ストライカーを思わせるような動き。ジェフが阿部にＣＫを蹴らせない理由が良く分かるシーンだった。
ジェフのゴールは、２つとも素晴らしかった。勝者への賞賛を惜しむ気持ちはない。友人のジェフサポには、色々な方法で祝辞を送ってはいる。
それにしても気になったのは、ナビスコカップ決勝戦という舞台にもかかわらず、両チームともクロスの精度とフィニッシュの精度に問題を抱えていたこと。録画放送の前に「プレミアリーグハイライト」「セリエＡハイライト」を見た後だったので、余計に思うことかも知れない。そしてその２つは、「ＦＷの要求が少ない」という共通項がある。要は、中の選手が身振り手振り、動き出す方向にある種の確信を持ってダッシュで入り込むこと、などの「ノンバーバル・コミュニケーション」をとっていないということ。
勘違いしてはいけない。本来、クロスは、「触れば１点のシーンを作る」という意味でラストパスである。スルーパスの失敗とクロスの失敗は同じ。しかし、クロスの失敗はあまりに日常茶飯事に起こっているため、誰も厳しく追及はしない。その結果、クロッサーは「誰かが走り込んでいるだろう」でアバウトなクロスを上げることになり、ＦＷは「ここに合わせてくれるだろう」で漠然とファーポストに突っ立っていることになる。それは、コミュニケーションのスポーツであるサッカーのありようとは反する。
「ヤツは必ずそこに走りこむ」
「ヤツは必ずここに送り込んでくる」
点を取るのに必要な要素を突き詰めれば、それだけだ。その２つの信頼が結ばれていれば、技術的なミスさえなければ、得点は入る。
前半には、そういうシーンがあったのかもしれない。それでも、結局得点を決めたのはＭＦの水野とＤＦの阿部だった。ＦＷの質という面で、両チームとも物足りなさを感じたのは事実。そして他の試合でも同じように感じた「クロスの質」「要求の少なさ」が、日本サッカーの最高峰の一つであるこの試合でも感じられたことが、少し残念でもあった。
以前「Ｊリーグに厳しい目を」でも触れたが、我々はもう少しクロスの精度、ＦＷの要求、フィニッシュそのものへの要求も厳しくして良いと思う。Ｊリーグが「世界」に追いつくために設立されたリーグだとするなら、徐々に「世界標準」を求めていってもいい。特にそれがナビスコ杯のファイナリストなら、余計に。
普段なら日程云々の要素を並べて「仕方ない」と書くところですが、今回はあえてそういう書き方をします。単なる雑感にて失礼。
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