Jリーグ優勝争い雑感


 短めの雑感を。


 事実上、優勝の行方は3チームに絞られた。残り5試合で、現実的に優勝を争える順位にいるのは首位浦和、首位と勝ち点3差の2位G大阪、勝ち点4差の3位川崎まで。勝ち点10差の4位清水にも数字上の可能性があるが、これは上位3チームが全敗し、しかもかなりの大差で敗れるというケースのみ。次節で数字上の可能性も潰える公算が大きいため、除外する。


 3チームを比較した時、やはり浦和の優位は動かないだろう。今後の対戦相手を考慮したり、15日のサウジ戦に日本代表選手が大量招集されるケースを想定してもなお、そう思う。


 それは、浦和の「負け方」が、他2チームとは明らかに異なるからだ。


 たとえばG大阪は、第25節の甲府戦第26節の磐田戦で連敗を喫した。いずれも、攻勢を仕掛けた時間帯で点を奪えなかったこと以上に、不用意な形で失点を喫したこと、負傷離脱した加地亮の穴を埋め切れなかったことに原因がある。第29節の清水戦で5試合ぶりの白星を手にしたものの、この試合では遠藤保仁の離脱を「ハーフカウンターに徹する」形で何とか埋めたものといえ、台所事情は苦しい。


 一方の川崎も、ここ5試合負けなしとはいえ、一時期のような勢いはない。その原因は、第23節の磐田戦第24節のG大阪戦で連続4失点をしたことに大きな原因があると見る。磐田戦は完全に相手の作戦にハマってしまい4失点。G大阪戦も同様にハーフカウンターの形にハマり、さらにマギヌンの一発レッド、ジュニーニョの負傷交代というアクシデントが重なり、一方的に攻め込まれて4失点した。


 浦和には、この手の負けはない。なぜなら彼らは一貫してカウンターを狙っており、基本的に「相手の形にハマる」ということはないからだ。浦和が喫した第29節磐田戦(2−3)の敗戦は、田中マルクス闘莉王の累積警告による出場停止が響いたもの。急造3バックの穴を突かれて立て続けに2失点すると、その後は得点源のワシントンを鈴木秀人田中誠というスペシャスト2枚に徹底マークされ、自由を奪われた。さらに決勝点となった3失点目は、坪井慶介が負傷交代し、三都主アレサンドロ−ネネ−堀之内聖平川忠亮という4バックになった直後の連携ミスを突かれたものだった。


 しかし、裏を返せば「失点は連携ミスによるもの」でしかない。「崩された」わけではない。さらに、あれほどマークされながらもワシントンは2得点を挙げている。浦和の主たる武器である「闘莉王を中心とした守備」と「ワシントンを中心とした攻撃」は、敗戦の中でも否定されていないのだ。


 G大阪と川崎が、それぞれの事情によって自分たちのサッカーを貫けなくなっている一方で、浦和は次節横浜FM戦の入り方さえ間違えなければ、少なくとも「自分たちのサッカー」ができなくなる可能性は低い。


 リーグが佳境に入ると、優勝争いにせよ残留争いにせよ、最も重要になってくるのが「自分たちへの信頼」だ。「やっていることに間違いはない」と確信できる浦和と、その確信が微妙に揺らぎつつあるG大阪と川崎。むろんこれは単なる予断に過ぎないが、浦和の不利を予想する材料がないことは事実だ。


 さて、リーグ戦の面白みは、こういったクソつまらない予想(笑)がどれだけ覆されるか、ということに尽きる。残り5試合、上位3チームの試合は1つも見逃せない。それは同時に、残留争いからも目が離せない、ということでもあるのだが(G大阪と川崎は、ともに福岡との対戦を残している)。


 以上、雑感にて失礼。

↓「面白い!」と感じたらクリックお願いします!↓

blogランキングへ投票する