ガーナ戦各論調比較(上)


 恒例行事として。といっても、弊ブログが本格稼動したのがイエメン戦(アウエー)が行われた翌日の9月7日なので、実際のところはこれが2回目なんですけどね(笑)。


 ということで、各メディアの論調を抜き出しながら比較し、間にコメントを挟んでいきたいと思います。まずはスポーツナビさんのコメントを抜き出し、そこに感想をはさんでいく形で。まだ各メディアは試合総評が出切っていないので、後半は昼〜夕方くらいに。もっとも、面白い記事がないな、と思ったら「(上)」は取るかも。あるいは、ライターのブログやネット論者のほうが面白いかもしれないので、そちらを集めるかもしれません。ではどうぞ。

スポーツナビオシム監督会見コメント
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200610/at00010828.html
今はまだ、日本のいろんな選手をテストしているところだ。欧州の選手は、毎週ガーナのような選手と試合している。だから、そういうチャンスのないJリーグの選手たちを集めて、どこまで力を出せるかという機会を与えるべきだ。それで、ある程度の自分の力も分かるだろう。


 やはり、ガーナ戦の段階は「Jリーグレベルの試合しか経験できない選手に、世界レベルの経験を与える」ことに主目的があったようです。

戦術面はまったく問題ない。個人スキルの点で少し問題がある。オプションのクオリティーの高さ、アイデアの豊富さ、そのアイデアを試合のプレッシャーの中で出せるか。日本の選手はプレッシャーのないところなら、アイデアもあって、それを実現できる。ところが大事なのは、プレッシャーの中でそれを実現できるかどうかということ。そこに勝敗を分ける大きな違いがある。日本の選手が、相手にパスミスをする。それを受けて、ガーナがチャンスを作る。そういう場面が何度かあった。(以下略)


 ここのところ沢山Jリーグを見ているので、非常に同感。戦術はもう飽き飽きするほどある。一方で、個人のミスによって簡単に相手にボールが渡り、流れが変わり、結果失点まで結び付く。あるワンシーンを抜き出せば世界でも通用する部分があるのだが、試合全体を通すと際立って多いのは「個人のミス」。ここをどう修正するか、それは個人の意識改革・技術向上以外にありえない。代表招集・代表合宿はその動機付け程度の役割しか果たさない。本来、自分たちで高い意識を持ってやるべきこと。かつて中村俊輔は「Jリーグでもやれることはある」として、海外クラブからのオファーを蹴ったことがあった。そういうものだと思う。

 ただし、私は今日の試合に満足はしているわけではない。負けたのだから。しかし前進するヒントがあったかどうか、それをいま探しているところだ。もしかしたら欧州の選手を呼ばない期間が長すぎるのかもしれないが、欧州ははるか遠い場所にあるのだ。どうしようもなくなったときに、最後のチャンスをもたらす人々として助けに来てくれる、そのための準備をしようと思っている。もし欧州の選手を呼んで、最初の試合に負けてしまったら、彼らは救世主としての役割を果たせないのだ。<了>


 重要なコメントだ。海外組を「救世主」として捉えている。むろん鵜呑みにはできないが、海外の選手を「ガーナのような選手と毎週プレーしている存在」と捉え、「最後のチャンスをもたらす人々」としている。これに以前の「日本に里帰りするのならデメリットはない」発言を加味すれば、まだまだ海外組は呼ばないだろう。個人的には呼ぶ必要もないと思っている。ミスが多く意識の低いJリーグの選手から、国際経験を奪ってどうする? という意味でだ。推測だが、アジアカップでもオシムは呼ばないだろう。いつ呼ぶのか? 恐らくW杯最終予選まで呼ばない気がする。

スポーツナビ・ガーナ監督コメント
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200610/at00010830.html
――昨日の会見で最初の20分に気をつけると言っていたが、日本のやり方は予想通りだったか。それとも、もっとアグレッシブだったか


 試合は予想通りの形だった。日本はいい形で試合に入った。大変いい組織だった。日本は常に中盤を5人で固め、その後ろに3人を配置し、アレックス(三都主)は幅広く動いた。アレックス側を押さえ込むようにミーティングで指示した。


 アレックスのフリーマン的な役回りは、予想の範疇だったという。ということは、アジアカップ予選3試合よりはトリニダード・トバゴ戦をより「本来の姿」と見ていたということか。引用はしていないが、前段で左サイドに言及している。山岸とのコンビネーションが、ガーナに脅威を与えていたことは事実であるようだ。

スポーツナビ・選手コメント
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200610/at00010826.html
鈴木啓太浦和レッズ
相手のボランチが攻撃的で、仕掛けてきて、周りを使われる場面もあった。直接失点することはなかったけれども、かなり効いていた。


 エッシェンからの鋭いクサビがアゴゴに入って、そこから展開されそうなパターンがあった。ガーナのコンディションが良ければ、そこから3人目の動きがあって、フィニッシュまで行かれた可能性は高い。そういう意味で、「あのスピード」「あのストライド」「あの発想」という部分に毎回触れられないJリーガーは、ハンデがあると言って差し支えない。ジーコ時代に海外組が7人も8人もいた頃(今もいるが)、ジーコが海外組を中心に組んだのは、そういう部分のアドバンテージを重く見てのことだろう。

山岸智ジェフ千葉
どの選手が誰につくか、1対1では負けないようにと言われた。向こうは速い選手が多かったので、頭を使いながらマークした。前半の半ばくらいからいい守りもできるようになったし、何本かパス回しもできた。(今日はワイド気味に攻撃する意識だったか?)それはあったが、アレックス(三都主)のサイドの持ち味を生かすようにスペースを空ける動きも心掛けていた。


 効いていた。中へのカットインを意識していたが、それ以上に「外を回り込むアレックス」をどう使うかに腐心していた。チャレンジが少ないと見えたのは、実際はアレックスに遠慮があった部分もあるのではないか。個人的には、それでも初代表&守備の負荷を考慮すれば及第点以上を与えたい。

遠藤保仁ガンバ大阪
チームとして、まだまだな部分が多い。部分部分で連動して動けたところもあるが、いいチームと試合ができて、課題も見えた。相手はスピードが持ち味なので、ポジショニングひとつとっても、もっと気をつけないと。


 チームの課題はそのとおりだろうが、トップ下として攻撃の核となるべき彼自身の課題に、言及する記者はいなかったのか。実際、チャンスにも絡んだが、「動かない」というミスをしている部分も多かった。勝負どころで足元に入れるクセも抜けていない。安全策をとる選手、という印象が強い。長谷部誠中村憲剛を使ったほうが怖いという感想。

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