U-19の未来は暗いのか?

 
 ヴィヴァイオ船橋サッカークラブの「VIVAIOレター」から引用。このレポートは、U-19日本代表候補 トレーニングキャンプ(9/11-14)を見学したヴィヴァイオ船橋の関係者が語ったコメントです。極めて示唆的だな、と思ったのでエントリーします。


http://www.vivaio-funabashi.com/2006_09_19.html
06/09/19/U−19日本代表を3日間見学して
決まり切った攻撃のパターン。単純にボールを動かすプレーの連続。低いレベルのミスまたミス。見学している私達にも次のプレーが予測でき、「本当にこれで良いの?」「世界で通用するのか?」という会話で終始した。
(中略)
運動量があり、力を抜いてプレーしているジェフトップに対して、後半まで運動量が落ちなかったと新聞等では報道されているが選手たちは前日のトレーニングのイメージで攻撃するものの、その様なシーンでは全く相手を崩すことができず、U−19側が観客を沸かせたのは梅崎や伊藤翔達の個人の力だった

 選ばれているメンバーを考えれば、そういうつまらないミスが多いとは思えないのですが……。

 コンディションの問題とも思えません。9日のJリーグに出場したのは内田篤人(鹿島)、柏木陽介(広島)、梅崎司(大分)、ハーフナー・マイク横浜FM)の4名のみ(サブに入った選手はカウントせず)。そこから、11日に市原スポレクパークに移動してトレーニングを積んだわけですが、移動疲れといってもアウエーへの帯同と変わらないでしょう。そうなると……やはり、技術の問題なんでしょうか? それとも、若者特有のムラッ気?


「昨日の試合を見て、U−19に選ばれている多くの選手がジェフトップの試合ではボールを持つことに余裕がないこと。」「サテライトと対戦したU−19のサブ選手に至っては、ボールを持てば選択肢が一つしかないような選手も多く、ボール配球マシーンのようになっている選手がいること。」
(中略)
U−19代表の選手たちには今後ケガをすることなく、国内の選考に残ってアジア予選を突破して欲しい。プロにはなれたが、残念ながら数年後J1の名簿から外れる選手も多いだろう

 実際に見たわけではないのでなんともコメントできないのですが……確かに、この招集メンバーの多くは、現時点でリーグのレギュラークラスをつかめていない。ということは、プロのスピードに対応し切れていない。技術があるとしても、アマとプロで最も違うのはスピード(パススピード、動き出しの早さ、判断の早さ)。そのスピードに対応できていない、あるいはできていても通用する「何か」がないからこそ、9月9日のJリーグで4名しか出場機会を与えられていない、のかもしれない。

 ただ僕には、そこまで彼らの質が低いとは思えない。例えば大分の福元洋平は昨年はレギュラークラスだったし、新潟の田中亜土夢も今シーズン14試合の出場実績がある。G大阪伊藤博幹植田龍仁朗横谷繁の3名もG大阪ユースでは大きな評価を受けてトップ昇格を果たした選手ですし、1歳年下の平繁龍一(広島)はプレシーズンキャンプで川崎のトップチームから得点を挙げる活躍をしています。また清水の山本真希は一時期この年代の中心選手でしたし、伊藤翔の資質は言うまでもなく疑いようのないはずです。どうも、この低評価には素直にうなづけないものがあります。果たして、彼らは「数年後J1の名簿から外れる選手も多い」のでしょうか? 僕には、ちょっと信じられないのですが。

 余談ながら、最後のこの部分も気になりました。


私達にとって何をおいての収穫は、ジェフトップの試合がとても面白かったと言うことだ。阿部・水野・楽山・羽生……。

 ジェフのサッカーは確かに面白い。ナビスコ杯川崎戦のように本当に素晴らしい連携を見せる。常にアグレッシブで、モチベーションを極めて高く保って試合に臨む。指導者にとって一つの理想となるチーム。学べる部分は、大いに学ぶべきでしょう。

 一方で、ジェフのサッカーに限界はないのか、そこも考えてみてほしいですね。僕が川崎戦の後半に見たのは、「足が止まってしまうと攻め手がまったくなくなる」という現実でした。「技術はないが足を止めない選手を優先する」のと「技術がある選手に足を止めないよう指導する」のと、いったいどちらが未来に向けてつながるのか。その答えを、当然ながら僕はもたない。現場の指導者の方がどう考えるのか、非常に興味があります。

「いくら上手くても、走れなければダメ」には賛成ですが、同時に「いくら走れても、自分で何かを起こせない選手もちょっと」とも思います。一個のサッカー好きとして、あまり走ることばかりが強調されるのは、違和感があったりするのです。



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