人は不快感にカネを出さない

http://plusdblog.itmedia.co.jp/la/2006/09/mba_ff5b.html
(前略)
いくつかあると思うが、その中の1つは「やはりソフトが大事」ということではないだろうか。かつてブームを巻き起こしたATARIが失敗したのは、低クオリティなゲームを多く出したことだ――とケース内で分析されている。一方でNintendoは、Miyamoto氏の手がけたスーパーマリオゼルダといったキラーコンテンツが人気を不動のものにした。
(中略)
 後に3DO REALやセガサターンといったゲームコンソールが登場したときも、市場シェアを動かす鍵になったのはソフトウェアだった。そういう意味で、事業者は「ゲームコンソールにこだわるよりソフトにこだわった経営をすべきでないか」という議論も授業中に展開された。
(後略)

 いかに高機能なハードであろうとも、そこで展開されているソフトがクソゲーばかりなら手を出さない。自分が消費者として考えてみれば、すぐ分かること。人は不快感にカネを出さない。
 
 サッカー観戦に安くない交通費とチケット代を捻出するのは、やはり快感を求めてのこと。それは「良い試合」なのか「今度こそ良い試合」なのか、あるいは「仲間とのつながり」なのかもしれない。「今日は不愉快になろう」という前提でスタジアムに足を運ぶ人は普通いない。

 スタジアムが最新鋭の建築工学で設計され、スタンドは絶妙な傾斜があり、屋根が開閉式で、フリーマーケットスペースがあって、オシャレなイタ飯屋が入っていたりしようが、そこで展開されているサッカーがどうしようもなければ、やっぱり行きたくないわけです。

 Blogに関しても同じだろう。多方面にTBを掛けまくって、そこから誘導したお客さんを数字としてカウントして「ほら、数字取れたでしょ」と言っても、それは単に「URLをクリックした」という数字の証明でしかない。最終的に何を目的にしているのかといえば、そのお客を上顧客、リピーター、ヘビーユーザーにすること。ハードで引き付けられたお客さんは、やはりうつろいやすい。
 
 もっとも、サッカーの場合「逆もまた真なり」といかないのが辛いところだが……。イビチャ・オシム監督時代、魅力的なサッカーをやっていたジェフ千葉の動員数が決して芳しくなかったことを挙げるまでもなく。