ワンプレーの重み

http://wsp.sponichi.co.jp/column/archives/2006/09/post_537.html
闘莉王の攻撃参加のように、Jリーグで見せているプレーを代表で発揮するのは当然だ。だからこそ彼らは、青いユニホームを着ている。だが、戦いの舞台が違うことを忘れてはならない。一つひとつの「プレーの重み」という言葉の意味を、今回の2試合で選手たちが理解してくれればいいのだが。(戸塚啓=スポーツライター

 サウジ戦の前半15分までのミスパスの多さは、尋常ではなかった。呼吸が合わないという類のものだけでなく、狙ったところにきちんと蹴れないというレベルのものも多かった。鳥栖松本育夫監督は以前、どこかの雑誌インタビューで「日本人は止められるがきちんと蹴れない」ということを語っていた。まったく同感だ。

 見慣れた光景となったために指摘しなくなった部分もあるが、総じてJリーグではクロスの精度が低い。中に何人の味方がいて、どういう状態で、どちらに欲しがっているのか。ファーポスト側ばかりに要求する中の人間の質も低いと思うが、誰も走りこんでいないファーサイドにボールが流れるシーンを目にするのは珍しいことではない。

「日本人のスキルは高い」という言い方では、漠然としすぎている。具体的にどういうスキルが高くて、どういうスキルが足りなくて、それは何が原因なのかということまで考えていく必要があるのだろう。