(報知)柏が柏木にオファーへ

 http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20081208-OHT1T00095.htm

 はいはい報知は放置。ですが、まあ移籍市場オープンに伴って色んなところからラッパが鳴るのは恒例行事。ちょっと乗ってみますか。「仮にこの記事がホントだったら」という前提つきで。
 さて、神戸以外だとどこがオファー出すかなと思ったんですが、2年連続で柏ですか。確か柏さんは「フランサ中心のチーム作りをする」といって、石崎さんから別の監督にすげ替えるんですよね。でも、まだどの監督になるか決まっていない様子で。本命に逃げられたんでしょうか、高橋真一郎コーチ(元広島)の内部昇格が有力視されているようです。柏木のプレースタイル考えると、どう見ても石崎さんのサッカーが合うと思うんですけどね。

>今季までの石崎体制では前線からのプレッシングサッカーをメーンにJ1を戦ったが、来季からはポゼッションを高めるサッカーをやりたい意向がある。そのためにも中盤でタメをつくれ、精度の高いキックを持ち、局面を打開できるレフティー獲得は最重要事項だ。

 まあ柏木にそうしたプレーが出来ないことはないとは思うけど、あんまりタメを作れるタイプではないですね。むしろワンタッチでさばいてスペースに飛び出してボールをもらうタイプで、フランサのような役回りはまずできないと思います。その辺のスカウティングは、まあ当然済ませているでしょうが。

 柏木自身に関して言えば、ひとえに「心がけ」でしょうね。それさえキッチリできれば、活躍できないことはないと思います。

 心がけというのは、ずばり「助っ人としての心がけ」。2億4千万円という安くない金額での移籍になる以上、若手とはいえ1年目からある程度の結果が求められる。1試合1試合のプレーの評価も広島よりかなりシビアになるし、結果が出なければ批判される。今のようにおちゃらけてブログを更新したりはできなくなるかもしれない。 広島時代とは段違いにプレッシャーがかかる。そういうプレッシャーが選手を成長させることは間違いないですが、潰してしまうことも多々あるわけで。

 新監督就任ということはフラットに見てもらえる反面、特別待遇も期待しにくい。今年のように甘ったれた調整不足で出遅れ、ほとんど役に立っていないにも関わらず継続起用してもらえる可能性はまずない。ダメならスタメン落ちで、「無駄使い」という評価が待っている。そこで腐らずにアピ−ルし続けられるか、ってところも見られますが、今年に関してはサテで調整し続けてスタメンを奪ったわけでもないので何ともいえません。

 彼自身にとって、柏移籍のメリットは大きいでしょう。関東のチームなのでメディア露出は確実に増えるし、代表合宿にも呼ばれやすくなる。移動の負担も減る。2年3年は移籍できなくても、3年後はまだ24歳です。その頃にはW杯も終わっているし、ある程度の段階を踏んで海外移籍という目もあるでしょう。一方で、上記のようなリスクもはらみます。よく考えて結論を出してほしいですね。

 サンフレッチェに関して言えば、2億4千万(来季年俸はいくら積んだんだろう?)の移籍金はかなり魅力的でしょう。久保が横浜FM移籍時に2億7千万、駒野が2億8千万とほぼ同額です。日本代表の2人に比べて、はるかに実績に乏しい柏木でこれほどの額になるのは商売としてはうまみがある。マーチャンダイズや露出への影響を考えても、それほど大きな影響ではないでしょう。確かに柏木のグッズは人気かもしれませんが、ファンの総数考えればリカバーできないほどのダメージになるとは思えない。

 なんなら、柏木移籍後の背番号10は槙野にすればいい。彼こそが広島を背負って立つ存在だし、プレースタイルを考えてもゴールに直結するプレーばかりする。「DFなのに10番(笑)、さすが槙野www」という話題性にもつながるでしょう。

 戦力的に見ても、浩司がトップ下できるし、桑田や平繁も育っている。新外国人補強の予定もある。どの道、柏木のポジションは空き待ちの選手であふれているわけです。そこに「移籍したい」と言ってる選手を置くぐらいならきっちり満額取って放出すべきだと思います。

 まあ、もちろん「出て行け」とは思いませんけどね。いろいろな要素を比較検討すれば、どのみち柏木の移籍は避けられないのだろうし、昇格も決まった。来年でも今年でもあまり変わらないかな、と思います。もちろんJ1で通用する外国人アタッカーの補強は必須でしょうが。