戦力外&契約更改雑感

 mixiでは一通り書いているのですが、こちらに書いてませんでした。簡潔に。

■戸田・木寺戦力外

 http://www.sanfrecce.co.jp/news/release/?n=2614&m=12&y=2008 
 http://www.sanfrecce.co.jp/news/release/?n=2616 

 戸田に関しては言うことがあまりない。昨シーズン、彼がいなければより守備が混乱したであろうことは予想できる。が、彼がいたところで71失点しているわけだし、その責が「FWが守備しないから」で収まるわけでもない。さらに、HPでチーム批判とも取れるコメントを幾つもものし、チームのまとまりを阻害した部分が確実にあると思っている。いや、HPで何を書いてもいいのだが、「その書いている内容の、どれぐらいをチームメートに向けたのか?」ということだ。そういう意味で、まあ千葉でも頑張ってくれ、としか言いようがない。

 木寺に関しては残念に思う。ひとえに、第二クール水戸戦の負傷がキャリアを狂わせた。あの荒田との激突がなければレギュラーポジションは安泰だったかもしれないし、少なくとも今年の時点で契約満了を迎えることはなかったのではないか。

 http://www.jsgoal.jp/official/hiroshima/00067193.html 

 結局、水戸戦後の公式戦出場は今のところなし。残るすべての試合で、佐藤昭大が先発を務めた。佐藤昭もやはり当初は不安定だったが、試合経験を重ねるごとに安定した。現在では課題だった足もとのボールの処理、ハイボールへの対応もずいぶん上手くなった。

 ユースからは、アンダー代表の原裕太郎も昇格する。一方でチームは、佐藤昭と競うレベルにある即戦力GKを補強するつもりらしい。柏の南あたりは、マジで候補ではないかと想像している。

 仮にGKを補強すれば5人体制となるが、当然ながらトップサテライト合わせて1人ずつしか出られないポジションには明らかに過多。少なくとも1人、多ければ2人を放出する必要があった。そうなったとき、長年チームを支えた下田よりも、“外様”である木寺のほうが切りやすいということだったのだろう。(温情と思われがちだが、実際は「他の選手へ示しをつける」という意味で立派に戦略的な判断である)

 控えが続きながらも向上心を失わず、腐らず練習を続け、自らのミス続きで批判を受けながらも徐々に成長し(35歳という年齢にも関わらず)、一時はJ2でもトップレベルの存在感を示した。彼の経験を欲しがるチームは、少なくともJ2には多いはず。新天地に恵まれることを祈る。


■柏木、移籍示唆

 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812030029.html

 自らの価値とチームから受けた恩恵をきちんとハカリに掛けて客観視した上で言ってるのなら鬼畜だし、客観視できていないならバカだ。いずれにせよ、この未曽有の不況下において、J2にも関わらず、さらにJ2に落とした選手であるにも関わらず「アップ提示」をしたクラブの温情を微塵も考慮しないのはどうしたものか。

 例えばこれがA代表に選出され、最終予選で活躍した選手の言う言葉なら分かる。佐藤寿人がやったように、J2トップレベルの数字を残したのなら分かる。だが柏木の残した数字は今のところ30試合4得点、稼働は実質5分の3といったところ。「チームに迷惑をかけた」部分が多いであろうことは、誰の目にも明らかだろう。

 そもそも、柏木は昨年ほどチーム内で確固たる存在感を示していない。トップ下は森崎浩司がこなせるし、桑田慎一朗も伸びている。2トップにすれば平繁龍一久保竜彦もおり、このポジションには新外国人を補強する予定もある。自らの客観評価ができていない、というのはそういうことだ。これ以上はとりあえず言わないでおく。キャリアを考えても、文字通り「大人しく」すべきだと思うが。


前田俊介、「戦力外通告受けず」

http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j1&genre=Precord&c=oita&t=p_record&g=j1_1&y=2008 

 15試合616分出場、得点2。ベンチ入り試合数は26試合。この数字だけみると「サブに定着」と見れるかもしれないが、そもそも大分さんはサブとして取ったのではないはず。彼のポテンシャルを買って、「ウチで開花させる」つもりの獲得だったと思う。そうでなければ、去年の時点で出場試合数がほとんどないFWをわざわざレンタルで獲得しない。 

 つまり、前田俊介に求められていたのは分かりやすい結果だった。にもかかわらず、得点はわずか2。分数に直したら308分に1得点だ。ここ5試合はベンチ入りメンバーからも外れているが、それはFW高松大樹が復調し、スタメンを張るようになったため、これまでスタメンだったFW森島康仁がサブに入り、ところてん式に押し出されたため。 
 
 つまり現時点で大分は俊介を主力と見ていないし、サブとしても高くは評価していない、ということ。

 どうするか。完全移籍の話も当然あったはずだが、この現状を見る限り難しい。森島が完全移籍となれば、恐らく1億程度は出費があるはずで、同程度の出費が予想される俊介の完全移籍に乗り出すとも思えない。 

 広島は戦力外通告を出していない。が、かといって来期の戦力として計算しているとも思えない。お互いに様子見ということで、レンタル延長で手打ちか、あるいは前田としては不本意な広島復帰か。できれば前者にしてほしい。「不本意ながら残る」選手は必要ないので。


西河翔吾

http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j2&genre=Precord

 34試合3015分出場、得点2。明らかに徳島の主力となっているし、確かキャプテンマークを巻いていた記憶がある。 

 もっとも、徳島は現状でJ2最下位。41試合で69失点しており、これはロアッソ熊本に次いで悪い数字だ。その守備を統括しているのが西河である。彼だけの責任ではないとはいえ、この失点数で評価するのは難しいといわざるをえない。実際に、広島戦でも西河が振り切られて失点したケースがある。 

 西河に関しては、俊介以上に「戦力外でない」ことに違和感がある。すでに森脇と槙野が台頭し、盛田と結城がサブを固めている。横竹も出番を与えられそうな気配だ。西河が食い込む余地は、乏しい。ペトロビッチが評価していないだけで、強化部は評価しているということだろうか。広島出身選手を簡単には切れない、という事情もあるのか。 

 いずれにせよ、徳島も財政的に極めて厳しくなるはずなので、完全移籍の線はなさそう。このままレンタル延長なのだろう。とはいえ、いつまでも徳島へレンタル継続するぐらいなら、いっそ戦力外にして他の道を探るべきかと「お互いに」思うのだが。西河もそれほど若い選手ではないのだから。