天皇杯3回戦・大体大戦雑感

 槙野の面白PKと、久保の超絶ボレー以外は特に。すでに書いているように、僕は天皇杯について

http://d.hatena.ne.jp/KIND/20081002/P1
あ、そういえば天皇杯に優勝するとか意気込んでる選手もサポもいるようですが、仮に優勝した場合

 昇格元年なのにACL

 という恐ろしい事態になるので、ほどほどにしましょうw

 と書いているように、それほど積極的に勝ち進んでほしいと思っていない。「すべての試合に勝て」「勝つことを願わないとは何事だ」というファッショ的な発言にも与しない。現時点でチームに望むのはごく短期的な視点ではなく(それは今年で終わりました)、3年後に優勝争いをする・10年後に常勝チームを作るという長期目標から逆算した「いま」なのであって。その過程において、昇格した年の天皇杯で結果を残してほしいとは全然思っていない。

 正直なところ、天皇杯優勝チームにACL出場権を与えるというレギュレーションはどうかと思っている。いや与えるなということではなくて、「なぜナビスコではないのか?」という部分だ。

 軽くググってみたがよく分からないのでまったくの想像だが、ナビスコカップリーグカップとして不完全なためではないかと思う(不完全というのは、「1部リーグのチームのみ参加」という部分のこと。例えばイングランドリーグカップに相当するカーリングカップは、優勝チームにUEFA杯出場権が与えられるが、参加チームはプレミア含めた92チーム。天皇杯が参考にしたFAカップはさらに多く、FAに登録しているすべてのチームとなっている)。

 プロ1部リーグのチームしか参加しない比べると、天皇杯都道府県代表チーム、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝チーム、JFLシード、J2、J1とすべてのカテゴリから選出されている。こういう部分が、ナビスコではなく天皇杯ACL参加権を付与された部分ではないかと想像している。

 だから、逆にいえばナビスコカップの参加チームを例えばプロ予備軍およびプロに限定しJFL・J2・J1とし、レギュレーションを工夫すれば、ナビスコカップACL出場権を優先的に付与していい気がするのだが。このあたりは、2ちゃんねるでも激しい論議が交わされていたはずなので、もっと勉強してから発言したいと思う。

 で、大体大戦のことだが、まあ語るべきこととしては選手がコメントしている以上のことは特にない。「勝って当たり前」の試合を当たり前に勝つのは存外難しいし、その難しさを突破したことには価値を認めたい。

 だが、選手が反省している通り、あれほどまでにカウンターを受けたこと、そしてそれ以上に大学生相手にすら「下がったら殴られっぱなし」の状態になっていたことは指摘しておきたい。引いてしまうこと自体もそうだが、「引くこと」が現状は「下げられている」という受動的な状態であるため、「最終的にどう相手の攻撃を防ぐか、遅らせるか、難しくさせるか」というチーム内のコンセンサスがまるで見えないのだ。

 守備とは論理なのであって、論理が破たんしている部分については言葉なり規律なりをつむいでいかねばならないはずなのだが、その論理を全員が共有していない。かなりアバウトなので、全員が時折別々のイメージを描いている。「守らねばならない」という言葉以上の、クリアな守備のビジョン、「こういう状態に追い込めばすぐには失点しない」「遅らせられる」「ボールを奪える」が必ずしも共有されていない。

 そしてそういう状態にあれば、大きな力の差がある大学生にすら得点機を与えてしまう、ということなのだと思う。そしてそれは、特段意外なことではない。今年のJ2でも、やはり大きな差のある愛媛や水戸あたりに「あっさりと」失点を許したケースがあったわけなので。

 自分が興味を持っているのは、そういう明らかな綻びをどう繕っていくのか、という部分。ということで、相変わらず補強の行方を当面はのんびりと見守る方針である。