凛として時雨を超える才能を発見してしまった。

 まさか今年の間に、凛として時雨を超える才能に巡り会えるとは思わなかったぜ。。。ポルナレフAA略。。。。仕事中でなく、笑って聞き流せる人だけがこれをクリックすればいいと思いますよ。。。

 オレは凛として時雨をどう賞賛したかというと。

 フォーマットや歴史に対するこだわりを良い意味で捨て、メタルサウンドの純粋な破壊力だけを掬い取り、ギミックも化粧もなく、見た目的にはバンドマンにすら見えない「素の状態」で破壊のメロディを奏でる。ラップの破壊力だけをメタルサウンドに取り入れ、ザック・デ・ラ・ロチャという狂気のパフォーマーを擁し世界最強バンドになったRage against the machineのように。

 まさに同じことが、この曲にも言えます。破壊衝動を、破壊衝動のままむき出しにして作られた曲。

星井七瀬『恋愛15シミュレーション』

 のっけのサビから炸裂する、天然オートチューンともいうべきゆがんだボーカル。音程が外れているのかそうでないのかギリギリのところ、というよりは余裕で外れているが、修正の形跡はない。あくまでも一聴した破壊力が重視される、音の配置。アイドルソングという概念は、すでにイントロから木っ端微塵に破壊されます。

 そしてAメロに突入すると、展開されるのはけだるいラップ。しかしこれも破壊思想に則られたものなので、「韻を踏む」というプリミティブな要素すら完全に無視され、ひたすら「ラップ風に並べられた言葉の羅列」の破壊力が追求される。まったく不必要と思われる巻き舌を要所要所でインサートしつつ、ギリ聞き取れる思想は「運命の人はどこにいる」という、アイドルソング定番中の定番な根本思想。リスナーをアナザー・ディメンションに飛ばしつつも、「これはアイドルソングですよ」という命綱だけは何とか残してやる。だからこそ、この曲はJ-POPの文脈というか、商業ベースの文脈にクビの皮一枚で踏みとどまっているのだと思います。

 ジャンルを不問にしていいなら、最近だと凛として時雨、レイジ、SLIPKNOTらの衝撃に匹敵する。「破壊を目的にしたアイドルソング」という意味ではPerfume『エレクトロ・ワールド』を超え、伝説のスターボー『ハートブレイク太陽族』に肉薄する、歴史に残る一曲ではないかと思います。いやマジで。

 問題はこれが、この星井七瀬というアイドルの歌手デビュー曲である、ということだけ。いったい誰が何の目的で、こんな大量破壊兵器を、アイドルのデビュー曲として配置したのか。日本版CIAが創設されるなら、ぜひこの無差別殺戮を目的とした兵器の製造者を捕縛してほしいものです。。。。