時代は身体性を求めている、気がする。

 5月はライヴが熱い!!

■5月のライヴスケジュール
 5/1 Perfume(広島クラブクアトロ
 5/9 9mm Parabellum Bullet / WRONG SCALE(広島ナミキジャンクション
 5/11 凛として時雨(広島ナミキジャンクション
 5/31 ***********

 今年のライヴ参戦目標は10本。すでに2/8ブンブンサテライツ(広島クラブクアトロ)、2/12Perfume(SHIBUYA-AX)、2/13Perfume(恵比寿リキッドルーム)の3本があるので、この5月で通算7本になる。自分の人生ではかなりのハイペースで、学生時代以来では一番ライヴに行く年になると思う。

 ここまでライヴ熱を高めてくれた一番の要因は、明らかにPerfumeの広島ライヴだった。TSS9Fスタジオというライヴハウスとしては色々な点で不備な場所ながら、そんなことなどお構いなしな衝撃パフォーマンスを見せてくれた。そのときの感想はこちらの真ん中らへんにまとめた。

 http://d.hatena.ne.jp/KIND/20080428/p3

 音楽に対する捉え方が劇的に変わった、僕の解釈では「正常化された」のもココからだと思う。学生時代に感じていた思いを、取り戻した。すなわち音楽はやはり身体性を伴うもの、聴いて身体を動かすものなのだと。
 CDを聞くのは「ライヴに行けないときの補助手段」に近い。ライヴで体感して初めて完成、というミュージシャンはたくさんいる。いまハマっているPerfumeマキシマムザホルモンブンブンサテライツ凛として時雨などはまさにそう。クラブシーンという、ライヴとは別の身体性がある文化で音を鳴らすcapsuleもココに分類していいのかもしれない。

 ブンブンサテライツの変化は完全に正しい、と思ったのもライヴを見てからだった。いま時代が求めているのはより身体性を伴ったもの、記名性の高いものではないかと。「考えるな、感じろ」なのはそうなのだが、より主体性を持ってオーディエンスを扇動するためには演じ手の顔が必要だと。

 ブンブン中野の受け売りですが、やっぱり今の世界はどうしたってマイナスのこと、気が滅入ること、落ち込めることばかり。だから頭で考えれば幾らでもマイナスに、負に、鬱になっていける。で、そういう風に世界をシニカルに捉え、分析して分類して既存の何かにカテゴライズして、何か本質までも分かった気になる風潮は結構あった。というか今でもある。それを知性とか頭の良さの象徴として崇める風潮もあった、というか今でもあり、そしてそれはすごく安易な権威捏造装置だった(ぶっちゃけ自分も昔はそのケがあった)。

 が、そういう腕組みして「ホラ、やっぱりこれが正解だろ?」と呟いてるよーなのはもうウケない。今の時代は“答え合わせに役立つ知識”よりも「で、オレらは何をすればいいの?」という具体的なアクションにつながる答え、閉塞感を打破する何かを求めているのではないだろーか。良い悪いではなく。

 それが“ネット右翼”と呼ばれるナショナリズムの台頭なのかもしれないし、あるいは中野がいうレベルミュージック(反抗音楽)としてのテクノ+ロックの融合だったり、Perfumeが受けている要因の一つであるテクノ要素の復権だったりアイドルの復権だったりするのかも。

 なんてことを、足りない頭を使って考えてみた。そしてその考えは、5月に体験する4本のライヴで補完されることと思う。

 Perfumeが真にすごいのは、CD音源の時点ですでに色々な旧弊を打破しまくっているのに、ライヴでアイドルコンサートには到底ありえないよーな激しいモッシュを巻き起こし、まさに身体性を伴った音楽を体現しているところだと思う。

 たぶん、CDやコンサートが素晴らしいというアイドルは過去にもいたけど、ここまで“ライヴ感”のあるまさにライヴをやってのけるアイドルは、ちょっといなかったんじゃないだろーか。そこらへんが、ライヴ参戦した新参(オレを含め)が次々と信者化している要因じゃなかろーかと考えている。

■追記:
 身体性を重視するといえば例えばWiiもそうだけど、なんか関係あるのかもなー。