kasaさんの改革案への感想

 当面、このブログは他ブログ・他サイトへのトラバどころか言及さえ控えようと思っていた。だけど、さすがkasaさんの意見は興味深い。が、掲示板ではスペースが限られるので、自分のブログに書こう。まあ、そんなに面白いレスにはならないかもだけど。

http://hpcgi2.nifty.com/VEN07574/yybbsa.cgi
降格の日から今日まで、某所でいくつかの想いを綴っていました。これは、降格の日から早い時期に作っていた『改革』案です。ちょっと紹介させてください。

まずは、サンフレッチェ広島を取り巻く環境についての提案から。

1.もっと多くのサイトが立ち上がって多くの声がクラブへ伝わること
2.個々の選手のサイトを閉じるか、完全有料化にすること
3.サポーターとクラブとの定期的な会合を設けること
4.紫熊倶楽部や携帯サイトで定期的にフロントの声を掲載すること

 全体的に思うのは、「同意だが難しい」ということか。
 1.についてだが、観客動員数が横ばいから目減りしている状況では、ネットでの言及数が増えないのは当然。そして今後も大きく増えることはないと予測される。スカパーで囲い込んだことでタコツボ化が促進され、地上波におけるJリーグの露出はさらに減っている。まして今年はJ2で、露出の機会はさらに減る。こんな逆風の中でブログを立ち上げる酔狂なやつは、オレぐらいのもんだ(笑)。

 個人的な意見をいえば、ブログの数ばかりあっても仕方がないと思う。サンフレ系HP・ブログで「論陣を張る」ところは非常に少なく、kasaさん以外だとサッカー蟻地獄にもう一つ二つぐらいか。割合としては、ファンブログが圧倒的に多い印象。それが悪いとは思わないが、ファンブログが100あるよりは明確に論陣を張るブログが10増えたほうがブロゴスフィアは活性化する。ネット上におけるサンフレのプレゼンスを増すためには、新規のサイトを立ち上げるより「既存の論客にサンフレを語らせる」ほうが良いのかもしれない。

2.個々の選手のサイトを閉じるか、完全有料化にすること

 2.についてだが、こと戸田のサイトに関しては同意。それ以外のサイトは別に閉鎖する必要はなく、運用をしっかりするだけで済む(森崎和幸の、入替戦第一戦直後の書き込みなどは、記事を受ける側の裁量一つでどうにでもなったはず)。

 戸田のサイトは選手系サイトには珍しく(というかほぼココだけだろう)意見を主張する場で、タテノショウヘイ氏がインタビュアーとなって会話形式で意見が綴られる。が、この手の意見表明サイトは往々にして「お前はどうなんだ?」という突っ込みがされる。選手がそれを書く場合、成績やパフォーマンスが突っ込み対象となる。昨シーズンの戸田は良いパフォーマンスが継続しているとは言い難かったし、成績にいたってはJ2降格だ。そういう状況で選手があれこれ語ることは、内容の精度以前に態度として不利。「不言実行」どころか「有言不実行」とすら捉えられかねない。選手間でも、ああしたサイトがあることは少なくとも良い影響はないだろう。「言いたいことあんなら直接言えよ?」という感想を感じるのが普通だ。

 よって、戸田のサイトに関しては、幾ら面白くとも閉鎖してほしい。まして今年の戸田はサブが濃厚。サブの選手があれこれチームを語るのは、それこそ「語るに落ちる」というものだ。

3.サポーターとクラブとの定期的な会合を設けること
4.紫熊倶楽部や携帯サイトで定期的にフロントの声を掲載すること

 3.および4.についてだが、正直なところ「いきなり接触」というのは難しいように思う。自分の情報網で聞くところでは、サポーターからの意見も千差万別で、中には業務妨害としか思えない粘着質なものも散見される。そうした状況下ではクラブ側もサポーターに対して構えざるをえず、したがって良質な意見交換も成立しにくい。

 意見交換の場そのものは必要だし、それが良質なものであってほしい。ならば、いっそSNS化すればどうだろう。もちろん新規にSNSを立ち上げられればいいが、そんな予算など割けないはず。ならば、mixiにコミュニティを立ち上げればいい。これなら一切費用が掛からないし、管理者のみトピック作成の権限を持つ設定にすれば管理もラクだ。

 mixiにコミュニティを立ち上げるメリットは他にもある。何といってもサポーターが「半匿名」になれることで、ある程度自由に意見を言えるし、しかしあまりの暴論はいえなくなる。異常に粘着質な人間や誹謗的な人間は周囲に淘汰され、少なくとも「こいつは異常だから無視しよう」というコンセンサスができる。一方で論理的に語る人間はクラブにも分かるので、「こうしたサポーターもいる」という認識を得ることができる。

 話題づくりにもなる。『サンフレッチェ広島SNS内に公認コミュニティを開設!』というニュースは見出しとして書きやすい。「サポの意見を柔軟に聞く」アピールにもなるし、ネット文化に寛容だというアリバイにもなるだろう。

 ただ、クラブ側のメッセージ発信には慎重に慎重を期する必要がある。FC東京の失敗例を見ても、クラブ側が感情的になった瞬間に双方向性のデメリットが降りかかる。ネットリテラシーが高い人間が、クラブ内に多いとも思えない。まずは「皆さんの意見を聞かせてください」程度に留め、様子をみるべきだろう。あまりに「炎上」傾向にあるならば、そうした意見交換に価値はないので止める。逆に建設的な意見交換が交わされているなら、時折クラブ側から「参考にさせて頂きます」程度のコメントを出せばいい。

 編集者としての経験から思うが、読者(サポーター)の声を反映させるというのは、聞こえはいいが運用は非常に難しい。実際、サンフレ公式にはかつて掲示板があったが、あまりの荒れっぷりに閉鎖になった。そしてそこから流れた難民が紫熊掲示板を荒らし、やはり閉鎖になった。個人的にも、サポーターからの意見を無制約に吸い上げる場を作るのはあまり賛成しない。感情的な意見を垂れ流すバカはどこにでもいるが、広島サポにおけるその割合は決して低くないからだ。

 よって、まずはサポを「半匿名」にすること。その上で、クラブ側の警戒心を徐々に外していくというのが手順だと思うが、どうだろうか。