虐殺者が「殺人をするな!」と叫ぶ

 オーストラリア政府の対応は、そういうことだろう。

http://www.j-cast.com/2008/01/08015346.html
YouTube」に投稿された日本の捕鯨をめぐる動画が大きな波紋を呼んでいる。日本の調査捕鯨
 対して豪州政府が猛反発している事態を痛烈に批判する内容。豪州での「人種差別」や「動物虐殺」を
 例に挙げた刺激的な動画に、日本語のみならず英語での書き込みが動画のコメント欄に1万件以上
 書き込まれる「大論争」を巻き起こしている。さらに豪州政府の外相がコメントする事態にまで発展。
 「人種差別を正当化するために鯨を使ってはいけない」
 「豪州人は日本人への偏見と差別を捨てなければならない」
 こんなメッセージが音楽と映像とともに表示される動画が2007年末にアップされた。
 動画の内容は、日本の調査捕鯨に猛烈に反発する豪州政府の方針などを痛烈に批判するもので、
 豪州での人種差別暴動やディンゴやカンガルーといった動物の虐殺映像を使って、豪州人が持つ
 日本人や捕鯨への「差別」を克明に描いたものだ。

 事実として言えることは、日本の調査捕鯨IWCによって認められたもの(もっとも、毎回のように調査捕鯨自体を禁止するような動きがあるが)で、それにオーストラリア政府が軍事介入を検討するなど狂気の沙汰であるということ。日本が調査捕鯨として捕獲しようとしているミンククジラはむしろ増えており、少なくとも絶滅危惧種ではありえないということ。クロミンククジラなどの鯨は増えすぎたためオキアミ等の資源を捕食し、絶滅危惧種保全を妨げている可能性もあり、ある程度の間引きが必要な可能性があること。

 そもそも論でいうと、捕鯨禁止論の発端は、鯨肉食文化のなかった西欧諸国が鯨油獲得を目的に乱獲を繰り返したためで、日本には何の責任もない。シロナガスクジラナガスクジラ、ザトウクジラといった種を絶滅危惧種に追い込んだのは、現在しれっとした顔で反捕鯨論を打ち立てている彼らであって、日本ではない。

 オーストラリアも、19世紀まで熱心な捕鯨国だった。ポートランドやポートフェアリーは捕鯨の街として発展し、鯨油やコルセット、彫刻などに利用されていた。しかし乱獲により近海の鯨が絶滅の危機に瀕し、また同時に新素材が台頭したことにより鯨を捕獲しなくてもよくなったため、オーストラリアは1935年に捕鯨を禁止した。その後にホエールウォッチングが栄え、現在ではオーストラリアの観光資源になっている。オーストラリアが反捕鯨を打ち出しているのは、単なるご都合主義なのである。ホエールウォッチングに人気がなくなれば、彼らが捕鯨国に回っても何の不思議もない。

 そもそもオーストラリアとはアボリジニを数百万単位で虐殺し、彼らの血と屍の上に打ち立てられた侵略国である。アボリジニの中には、ハンティングの延長線上のような感覚で殺害された人々もいるという。オーストラリアというのは、同じ人間すら狩猟の対象にしてきた祖先を持つ国だ。マルチ・カルチュラリズムの機運も大幅に弱まっており、そうした国が今更のように鯨の保護を打ち出すなどちゃんちゃらおかしい。日本は、こうした民族浄化に加担したことは一度もない。「比較的血で汚れていない国」として、日本は血まみれの歴史を持つアングロ=サクソンに毅然とした対応をしてほしいものだ。