トータルフットボールを考えてみる(仮)
どうも、こんばんは。戦術を語りながら、戦術史にはそれほど興味のなかったりするKINDです(笑)。ホントは勉強しとかなきゃいけないんですけどね。基本的にサッカーは「ルールを遵守する」(ボールを足で扱う、オフサイドルールを守る)か「ルールを巧妙にかいくぐる」(手を巧妙に使う、オフサイドトラップを破る)で十分成り立つスポーツと思っているので、あんまり「成り立ち」に興味を持てなくて。中盤の発祥とかWMシステムとか、調べれば幾らでも分かることを、きちんと抑えていなかったりします。
それでも、これまで別に困ったことはない。これは、戦術が常に「相手をどう攻略するか」もう一つ「相手をどう抑えるか」の2点に分かれるからで、その意図と狙いをきちんと分析できていれば、その戦術の発祥は話を盛り上げるネタでしかないなーと感じてるんです。多分、オレの考えは間違ってるんでしょうけどね。体調が良くなったら、浅野賀一さん主宰の『varietyfootball』さんを副読本に勉強させて頂くとします。
で、コメントへのレスです。
「確実に勝つため?」
以下、テーベさんへのレスです。
プレッシング、バレーボールのコンビネーションバレー、バスケットボールのモーションオフェンスなどの戦術の出所としては「弱い個が強い個にどのように運動量をふやして対抗するか」という課題があるとおもいます。ところが、トータルフットバールは(雑誌の記述と私の記憶が正しければ)強いオランダがサッカーの不条理(強いほうが勝つとは限らない)に対して「強いチームがいかにして確実に勝利するか」という課題に答える形ででてきた戦術なのです。
なるほど。「強いチームがいかに確実に勝利するか」ですか。ちょっとそれは僕も手元に資料がないもんで、保留にさせてください。
ただ、個人的に違和感を感じる点としては、「確実に勝利するため」という点ですかね。というのは、確実に勝利する戦術はエレニオ・エレラのカテナチオ(グランデ・インテル時代のアレですね)ですでに確立されていて、トータルフットボールは“美しく勝利する”ための、当時としてはかなりチャレンジングな戦術だったと思うんですよね。だからこそ色々な戦術家の憧憬として脳裏に刻まれて、「記録より記憶」のチームになったのだと。
ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」 というそのまんまのタイトルの本を読んでますが、「強いチームが確実に勝利する」だったっけなぁ? 西ドイツのサッカーを「美しくない」としたアンチテーゼ的なものだったような気がするんだけどなあ? というオボロゲなギモンはありますです。現に1974年のオランダは、クライフにベルティ・フォクツをビッチリマンマークさせた西ドイツに敗れているわけですしね。ちなみに、そのあたりの記述があって面白かったのは、西部謙司さんの1974フットボールオデッセイです。
ただ、こちらの記述には概ね同意です。
まず、オシムが日本を「弱い個」と考えていることはもう自明ですね。で、オシムがどうやって「強いチーム」にするかについて、オシムの答えは極めてシンプルで「より多く走ること」「効率的に走ること」の2つだけでしょう。
ガーナ戦のチームは、前者は多分できてましたね。問題はあのメンバー、あの並び、あのマークの付き方で「効率的に走る」ができるかどうか。僕は無理だと思うし、オシムもそう考えていると思うので、やはりガーナ戦のチームはスペシャルだと思う次第です。たぶん。
そのポジションに適正があるかということのかわりに、現実のそのマーク対象を抑えれるかという、弱者がミスマッチでゲームを壊されるのを恐れる考え方からきていると思えないこともない。
まあ、まだ分からないですよ。ミスマッチができるとすれば試合中に何らかの修正を施しますが、スタメンの選考過程でもちろん程度考えるでしょうし。ガーナは平面的なスピードとグラウンダーパス主体の繋ぎなので、今野を試す場としてはノルウェーやオーストラリアよりは悪くない。もし相手がオーストラリアなら、オシムは青山直晃をスタメンに出したでしょう。そういうもんだと思いますよ。
「リンクはそもそも自由」
以下、superpippoさんへのレスです。短くてスイマセン。リンクは自由です。というか、僕はWWWの「共有される文書資源」という思想に賛同しているので、著作権のないリンクがどこに貼り付けられようが一切気にしません。
こちらからリンクを貼る件ですが、別に厳選してるわけじゃありませんが、失礼ながら貴サイトを一度も拝見したことがないので、現時点では遠慮させてください。それより、気になった記事にTBを下さったり、コメントを下さったりするほうがうれしいです。今後ともよろしくお願いします。
次はTBで(笑)
FD3S-13Bさんへのレスです。どもです。とりあえず、このぐらいボリュームがあったらぜひともTBで頂けるとありがたいです(笑)。コメント欄では対応しきれないので。
トータルフットボールの話が出てますが、この呼称は元々造語です。
おお、そうなんですか。とりあえずWIKI にあたったら「1974年サッカーW杯でオランダ代表が用いた戦術の俗称である」って書いてるので、周囲がそう呼んでたことは間違いないでしょうね。
んで、トータルフットボールに関する戦術面の記述は概ね同意です。あれは「ボール狩り」と称される前線からのプレッシング、そこで奪い取ったボールを、相手の守備組織が整わないうちに前線に送り込んでいくと。まあ、僕は用語はどうだって良い派なので、事象を表すのに分かりやすい言葉を選択していきますけどね。
んで、ボールポゼッションに関しては、FD3S-13Bさんもお書きの通り「高ければ良い」ではないですね。というのは、弊ブログの更新量を見て頂ければお分かり頂けると思いますが、最近ずっとJリーグを見ていまして。強いのは「相手にボールを持たせるチーム」「相手を研究しているチーム」であることは変わっていないんですよね。結果としてポゼッション率が逆転することはあっても、それは51.2%とかの誤差レベルに過ぎない。
現に川崎は研究されて勝てなくなってきているし。G大阪も、特にA3明けぐらいからは昨年のようなポゼッション重視のスタイルを止めて、中盤の明神智和・橋本英郎で潰してそこから3〜4人のハーフカウンターを狙ってますしね。家長昭博が最近スーパーサブ的起用法をされてますが、これは本人だけの問題じゃなくて、戦術的にその方が都合がいい部分もありそうです。たぶん。
で、トータルフットボールに戻りますが、あれから32年が経てば当然ですが、書けば書くほど「現代サッカーでは当たり前のことだよなぁ」という感想が浮かんでくるなぁ……。
以上、つれづれなレスでした。最後にFD3S-13Bさん。
今後もKINDさんの日記を楽しみにしていますので、更新頑張って下さいね。
ありがとうございます! 励みになります。
今後ともよろしくお願いします>皆さん
↓お陰さまでトップ10入り果たしました!
これからもどうぞよろしくお願いします!
- 作者: フリーツバーラント,ヘンクファンドープ,Frits Barend,Henk van Dorp,金子達仁
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: 単行本
- クリック: 18回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
- 作者: 西部謙司
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (11件) を見る