海外移籍は難しい

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20060913-00000000-kyodo_sp-spo.html
平山のFC東京入りに不満 オランダのヘラクレス

 【アムステルダム12日共同】サッカーのオランダ1部リーグ、ヘラクレスが、同クラブを退団した平山相太Jリーグ1部(J1)のFC東京入りに不満を持っていることが12日、分かった。オランダのサッカー誌が電子版で報じたもので、ヘラクレスの会長は「平山とその代理人から説明がない限り、国際移籍証明書の発行を差し止める」と述べている。
 会長は平山について「(退団は)日本で学業に専念したいからだと理解している」とコメント。プロのクラブへの加入について説明を求めている。平山は国際移籍証明書がないと、公式戦に出場できない。
(了)

 一応、国際移籍証明書発行の流れについておさらい。ソースはどっかあるけど、面倒なんで探してください。

 この記事で誤解しやすいポイントとしては、

ヘラクレスの会長は「平山とその代理人から説明がない限り、国際移籍証明書の発行を差し止める」と述べている。

 とあります。が、実際に国際移籍証明書を発行するのは各国のサッカー協会です。証明書発行の流れは以下のとおり。

(1)オファーを出したクラブ側(FC東京)が各国協会(JFA)に発行を要請
(2)JFAが、元所属のクラブ(ヘラクレス)が所属する協会(KNVB)に発行を要請
(3)KNVBが、ヘラクレスに対し移籍証明の発行許可を確認
(4)ヘラクレスが、KNVBに移籍証明書発行の許可を通達

 まあ実際クラブが許可を出さないとダメ、というのは確かなのですが、元記事を読むと「クラブが発行するもの」と誤解しそうなので補足。

 ところで、この話でよく分からないのは、平山が退団した時点で「ヘラクレスに籍が残っていたのか?」ということです。
 
 以下は推測ですが、ヘラクレスの会長がゴネている以上、退団はさせたもののまだ籍は残っていて、その処理は迅速には行われなかった。なぜ迅速に行わなかったのかといえば、すぐに別のクラブへ移籍するとは認識されていなかったから、ではないのか。もちろん会長がゴネているだけの可能性もありますが、推測でどちらかを悪者にするのであれば、こういう推測も成り立ちます。

 いずれにせよ、僕に契約について確かな知識はないので、あまり込み入ったコメントは差し控えます。この件について誰が真実を述べているのか、情報が少なすぎて分からないというのが実情ではないでしょうか。

 余談ですが、平山の移籍についてオランダでプレー経験のある戸田和幸は、ホームページ上で次のようにコメントしています。(コメント者は引用者加筆)

http://www.kazuyuki-toda.com/txt/0913.html
戸田:全然面識もないんですけど、平山選手が帰ってきたってこと。

タテノ:はいはい

戸田:報道でしか知らないんで、詳しくは全然知らないんですけど。まぁ、残念だなと思う。

タテノ:ああ

戸田:出来るんだったら、試合に出るチャンスもあったみたいなんだし、せっかく行ったんだったら向こうでやれた方が良かったのにとは思うけどね。

タテノ:ああ、そうだね。

戸田:言葉が通じなくて、ホームシックみたいな状態になって、っていうのは誰もが必ずなるからね。俺だってなったし。そういうのを乗り越えるとまた違う世界が見えたりね。楽しみが出てくるはずなんだけどね。

 やっぱり、海外でやっていた選手からしてみれば物足りなさ、残念さを感じさせる出来事だったようですね。