宇都宮氏が対案を披露!


「今後もこの路線を続けていくのは、やはり無理がある」と思う。

ラストゲームの向こう側に(2/2) 5位決定戦 オークランドシティ対全北現代(宇都宮徹壱・スポーツナビ)
岩本が今後、どのような人生を歩んでいくのか――サッカーを続けるにせよ、すっぱり辞めるにせよ、それは当人の決断を尊重すべきであろう。むしろ私が気になるのは、クラブW杯のオセアニアに対する扱いであり、「5位決定戦」という微妙なゲームの存在意義についてである。それらをかろうじて成立させているのが、オセアニアの「パンダ枠」であるわけだが、今後もこの路線を続けていくのは、やはり無理があるのではないか。

 岩本輝雄については別に触れるつもりだが、世界戦というくくりの中で「アジアvs.オセアニア」の対戦を見せられても「それってどんなトレーニングキャンプ?」って思ってしまうわけで。むしろ昨日の「全北vs.オークランド」で23,258枚ものチケットが売れたことのほうが不思議。そのうち何割がテル目当てかは知らないけれど、豊スタで行われた第1戦にしても「客引き」の効果があったのかどうかは微妙なところだ。むしろ、あったからこそこの人数なのかもしれないが。


 もっとも、短期契約で「助っ人」的な選手を雇って「トヨタカップ」に臨んだのは、オセアニアのチームが初めてではない。1997年のトヨタカップでは、ドイツのドルトムントと対戦したブラジルのクルゼイロがブラジル代表FWドニゼッチ、FWベベトら3選手を「1試合限定出場」させた実績がある。もっとも、その試合のクルゼイロは何本か効果的なカウンターを繰り出しながらも、ドルトムントの組織的な攻守にあっけなく敗れてしまったが。


 もともとトヨタカップにはこの手の「ゲストプレイヤー」を制限する規定はないので、例えば「ゲストプレイヤーが大会の権威を下げた」という論調は基本的に誤り。大会規定に沿っている以上、文句はFIFAにつける筋合いのものだ。ただ、「実力不足のチームがバンソーコーを貼って出場してくる」のに違和感を感じるのは自然な感情だろう。


 第2回大会である今回も、決勝は「欧州王者vs.南米王者」という従来の枠組みに落ち着いた。つまり、レギュレーションが変わっても「世界最強はやはり欧州か南米」ということだ。W杯予選の出場枠と同じ理屈で、「他大陸のクラブは、欧州&南米への挑戦権を懸けた予選を行うべきだ」程度のことはいえるのではないかと思う。というより、むしろそうすべき時期に早々と来ている。この大陸間のクラブ格差は、想定していた以上にはるかに大きい。確かに他大陸にとって欧州・南米王者との対戦は大きな経験となるだろうが、「世界一決定戦」と銘打った大会に「経験」もないだろう。現行の方式に無理があるのは、明白だ。


 ただ、そこで我が『CWCの権威を上げちゃうよ連合』は、対案を出すことの難しさに直面しているわけだが。試合数を増やせば各国リーグにしわ寄せが行くし、現状のチーム数では格差が大きい。FIFAは開催国枠を審議に諮っているが、仮にこれが実現すればほぼ確実に「日本のクラブが(予選を経ず)常時出場」となるわけで、来年も「今後もこの路線を続けるのは……」となるのは目に見えている。


 こちらの記事によると、宇都宮氏はこの連載の最終回でクラブW杯の将来像について何らかの腹案を披露するつもりであるという。当連合としても(笑)非常に楽しみだ。今のところ紙媒体を含め「CWCへの積極的な改善案」あるいは「現実味のある提案」がメディアから発せられたのを見聞きしていないので、宇都宮氏の提案は貴重なものである。ぜひ参考にさせて頂きたいと思う。

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