「乾>>>>>柏木、高萩、浩司」?

 誤解のないよう先に言っておくが、これは勿論ぼくの判断ではない。

 我らが日本代表監督、岡田武史氏が自らの知識と経験をフル動員して、もちろんJ1・J2すべての選手をビデオ含めて何らかの形でチェックした上で、ある程度のバイアスはあるにせよ、そういう判断を下したということだ。っていうか、こちらとしてはそう受け取らざるを得ない。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/soccer/news/20081224-OYT1T00494.htm

>▽GK 川口(磐田)、都築(浦和)、川島(川崎)▽DF 寺田(川崎)、高木和(清水)、駒野(磐田)、阿部(浦和)、石櫃(神戸)、水本(京都)、森重(大分)、内田(鹿島)▽MF 中村憲(川崎)、青木(鹿島)、工藤(千葉)、谷口(川崎)、乾(C大阪、金崎(大分)、香川(C大阪)、▽FW 巻(千葉)、大久保(神戸)、田中達(浦和)、岡崎(清水)、興梠(鹿島)

 いち広島サポとして主張しておくが、C大阪戦2試合通じて「乾が怖い」と感じたシーンはただの1秒もなかった。

 乾は、フル出場した広島戦2試合通じてほとんど何もできなかった。ポジションが重なると思われる柏木、高萩、森崎浩司に勝っているのはドリブルだけ。それ以外の守備への切り替え、運動量、スペースでボールをもらう動き、その方向性とタイミング、2手3手先を読むプレー、そうした部分では柏木、高萩、森崎浩司が優れている。「圧倒的に」とつけていいかもしれない。

 今年、曲りなりにも広島戦はすべて観戦(TV含め)し、ライバルチームのスカウティング(wとしてC大阪の試合も何試合か見た。その上でいえば、この選出には大きな疑問がある。

 今シーズンのJリーグの実績を考えても、特に高萩、森崎浩司は明らかに乾より優れた成績を残している。

http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j2&genre=Precord&c=hiroshima&t=p_record&g=j2_1&y=2008
>森崎 浩司 40試合 3,383分 14得点
>柏木 陽介 31試合 2,019分 4得点
高萩洋次郎 38試合 2,839分 14得点
http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j2&genre=Precord&c=cosaka&t=p_record&g=j2_1&y=2008
>乾 貴士 20試合 1,787分 6得点

 乾は、かろうじて柏木に得点数で勝っているにすぎない。高萩や森崎浩司はMFながら得点ランキング9位となる14得点を挙げており、この数字は6位の香川に続くMFの2位、3位だ(参照)。つまりこの選出は、実績を勘案したものでもない。さらにいえば、「4,000分以上出場した選手は代表選出を免除」というのも違う話な気がする。

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=japansoccer&a=20081223-00000064-sph-socc
 日本代表の岡田武史監督(52)が22日、来年1月10日からスタートする鹿児島合宿メンバーに所属クラブを通じて招集を通達。MF金崎夢生(19)、DF森重真人(21)=ともに大分=、MF工藤浩平(24)=千葉=ら国際Aマッチ出場経験がない新戦力を選出したことが分かった。海外組、トヨタ・クラブW杯に出場したG大阪、天皇杯4強クラブ、今季の通算出場4000分以上の選手らは除外されたなかでの招集だが、若い力が代表に新しい空気を吹き込む。正式発表は24日。

 その基準ならば、鹿島の内田や、同じくC大阪の香川などは4000分は超えている気がするのだが。

http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j2&genre=Precord&c=cosaka&t=p_record&g=j2_1&y=2008
>香川 真司 35 3,103
http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j1&genre=Precord&c=kashima&t=p_record&g=j1_1&y=2008
>内田 篤人 25 2,165
http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=ync&genre=Precord&c=kashima&t=p_record&g=nabisco_2&y=2008
>内田 篤人 1 90

 これに年代別代表(香川は五輪だけでなくU-19にも駆り出されている)、フル代表、天皇杯の数字を加えれば、2人とも4,000分を超えるか、少なくともそれに準じた数字になるだろう。

 いや、もちろんこれは「目安」なのであって、厳格な運用をせず「疲れているとみられる選手を外した」という運用なのでしょう。オバトレ予防に。あれ?

 じゃあ香川は外れるよね?

 というところでとりあえず思考停止する。代表選考にバイアスがかかっていないはずがないからだ。過去、代表選考が完全にクリアだったことなど1度たりともないし、監督の好みというものがある以上、「乾>>>>柏木、高萩、浩司」という判断をする監督もいるかもしれないって話でしかない。

 単純に、岡田監督が好む4−4−2のハーフはドリブラーだということなのだろう。あるいは推薦枠か。いずれにせよ、客観的な判断とは言い難く、よって広島サポは過度に騒ぎ立てる必要はない。こういう風にブログに書き、フォントサイズを適当にいじってウザったらしく強調をするなど、文章力の貧困さを棚に上げて視覚効果に頼る貧相な発想であり、つまり

 愚の骨頂

 である。ということで皆さんメリークリスマス。