岐阜を警戒せよ(J2第5節雑感)

 「J2恐るるに足らず」と書きましたhttp://d.hatena.ne.jp/KIND/20080321/p2が、それでも要注意チームはいますな。発見しました、ようやく。42試合トータルの持久走ではともかく、この10試合とか、あるいは第一クールの14試合という短距離走で見たとき、十分に脅威になりうるチームがいました。次節の対戦相手であるFC岐阜です。

【J2:第5節 C大阪 vs 岐阜】
レポート:少ないチャンスをモノにしたC大阪が勝点3を獲得、岐阜は健闘したが及ばず。 [ J's GOAL ]
http://www.jsgoal.jp/news/00062000/00062802.html
http://www.jsgoal.jp/news/00062000/00062793.html
http://www.jsgoal.jp/news/00062000/00062794.html
http://www.jsgoal.jp/news/00062000/00062795.html

 マズいタイミングでイヤなチームとあたるもんですな。今シーズン初めてストヤノフを欠くDFラインが当たるのは、カウンターからの速攻のキレ味がいまんとこJ2ナンバーワンな岐阜。福岡大相手に失点しているよーなDFラインでは、実に心もとないです。

http://www.sanfrecce.co.jp/news/release/?n=2007
>サンフレッチェ広島 2 - 1 福岡大学
>[前半] 1-0
>[後半] 1-1
>得点者(広島関係分)
>[広島]柏木陽介(34分)
>[広島]久保竜彦(74分)

復帰の柏木先制弾 出場60分、内容納得せず(中国新聞
screenshot

 24番のドリブラー片山真人がキーマンで、彼が下がってきてゲームメークするのですが、そこでボールが滞留することなくテンポよく散らされる。「一気に攻め切る」という統一意思、個々人の「走り切る」という意思、ボールホルダー片山あるいは33番梅田高志といった選手への信頼など、とにかく「チーム」としての骨格の太さを感じました。

 そしてその「チーム」としてのバックボーンがあり、相手に複数の選択肢を押し付けるからこそ、11番高木和正(元広島!)の縦に鋭いドリブル、片山のタメ、10番片桐淳至のトリッキーなパスなどがアクセントとなる。奇をてらったことをせず、簡単にやる場面で簡単に、突っかけるべき場面で強引に。そこには、個への執着が良い意味でない。

 個への執着がないのは、守備に関しても同様。ボールが奪われた瞬間からの切り替えと集散が極めて早い。「誰かが」ではなく「誰もが」行く。センターバックの5番川島眞也(やはり元広島!)、4番小峯隆幸、右サイドバック19番吉村光示(こちらも元広島)など、J1経験者が揃うDFラインもかなり粘り強く身体をぶつけ、足を止めず、アグレッシブに守備をやってきます。

 もちろん、弱点は幾つかあります。この日失点につながった一瞬の集中の欠如、そしてより明白な弱点として、選手層の薄さが挙げられるでしょう。なんとかベンチ入りメンバー15人にJ経験者をそろえた、という風情で、戦力的には広島と比較にならない。片山、梅田、高木、川島といずれも欠かせない存在になっており、誰か1人が欠ければ著しく戦力は落ちる。それゆえ、現在の成績が長続きするとは思えません。しかしそれは彼らの問題なので、ここでは触れません。

 問題はこの序盤、広島がストヤノフを欠くタイミングで当たるということ。上記の通り、ストヤノフを欠いたDFラインは福岡大にすら失点を許している。水戸戦でも、記録上はストヤノフ退場後に2失点した。リーグ戦において、広島は完全に「ストヤノフ頼み」の状況なのであって、彼抜きのシチュエーションはまだ未経験。そこに、現在J2でもっとも鋭いアタックを持つ岐阜とあたるというのは、かなり危険ではないかと思っています。

 いやぶっちゃけ、ナメたりモタついたりしたら普通に負けますよ、これ。広島が戦力で上回っているのは間違いないし、中盤が支配できるのも間違いない。チャンスを多く作るのも恐らく広島。しかしそこで水戸戦のよーに決めきれないと、水戸戦以上に苦しい試合になることはほぼ間違いないでしょう。

 次節はJ2第6節(実質5試合目)にして、初めてスリリングな試合が経験できそうです。それはそれで、非常に楽しみですね。

 広島にとっては「脱ストヤノフ」の試金石となります。正直、ストヤノフはあの調子だとこれからも何度か退場するかもしれないし、削られてケガをするかもしれない。しかし、「ストヤノフがいないので昇格できませんでした」じゃあ話にならないわけです。

 ストヤノフ抜きでも勝て。それが岐阜戦のミッション。

 あ、ちなみに長期的に見たとき「いずれ脅威になるだろう」というチームは、C大阪ではないかと思います。こちらは、もう眠いので明日にでも。香川いい選手だなあ、おい。